チェンマイでも、サウナイキタイ。
チェンマイ旧市街から少し離れた住宅街に、地元の人が通うハーブスチームサウナがある。以前泊まったBLOOMZ HOSTELのスタッフに教えてもらった「Herbal Steam House」だ。教えてくれたスタッフ自身も、隣にあるタイ伝統マッサージの学校に通っていたという。看板の案内には日本語まで添えられていて、地元の生活に根づいた施設であることが伝わってくる。
浮世絵風の看板が出迎える入口

入口の看板には「เรือนอบสมุนไพร/Herbal Steam」。その下に、歌舞伎役者風のイラストで「男」、花魁・芸者風のイラストで「女」と振り分けられた木製の案内板がかかる。タイの施設なのに、なぜか日本の浮世絵をモチーフにした遊び心のある意匠で、思わず二度見してしまった。

平屋建てのタイ様式の建物で、庭には緑が生い茂る。入口脇には白いプラスチック椅子が並び、整い中の利用客がくつろいでいる。

受付|カウンターに並ぶ物販
受付は重厚な木製カウンター。ロッカーもこちらにあるので、受付を済ませてから、ロッカーに貴重品を入れて、男女各部屋に分かれる。


カウンターには料金案内の看板が置かれている。

料金は1回100バーツ、時間制限はなし。レンタル品は腰巻き(Loincloth)・サロン(Sarong)・タオル(Towel)がそれぞれ20バーツ。ハーブを追加したい場合は50バーツで、カウンターに申し出る仕組みだ。訪れたのは2026年5月30日で、店内には「2026年6月1日から100バーツを120バーツに値上げする」という告知が貼られていた。原材料・ガス代・燃料費の高騰が理由とのことで、値上げ直前の駆け込みでの利用になった。

回数券もある。7回で600バーツ、15回で1200バーツ、購入から3ヶ月有効。今回は単発利用なので購入していないが、近くに滞在するなら回数券の方がお得だ。

受付で腰巻きとバスタオルをレンタルすることにした。持参することで、レンタル料は、不要だ。

更衣室で着替える
受付から奥へ進むと、更衣室・シャワー・スチーム室が一体になったエリアに出る。入口には「ドレッシングルーム」の案内、壁には使用するハーブの効能を紹介するポスターが貼られていた。

更衣室の中は、白×オレンジのタイル張り。壁一面の鏡と長いドレッサー台、大型の扇風機、ヘアドライヤーまで揃っている。

水回りは丸鏡2枚とボウル型のシンク2つ。年季の入った施設で、壁のペンキは所々剥がれているが、その分、気取らず使える空気感がある。

ハーブスチーム室のルール
スチーム室の入口には、いくつもの注意書きが掲示されている。「裸はダメです」は日本語でも書かれていて、水着や腰巻きを身につけたまま入るのがルールだ。「唾を吐かない」「鼻をかまない」「体をこすらない」「大声を出さない」といったマナーのほか、「NO OBSCENITY FINE 2000 BAHT」の掲示もあり、違反すると2000バーツの罰金になる。地元の人が日常的に通う場所だからこそ、利用マナーがしっかり定められているのだと感じた。

室内はコの字型のコンクリートベンチが並び、床には赤い絨毯が敷かれている。照明を落とした薄暗い空間に、ハーブの香りを含んだ蒸気が満ちる。

スチーム→シャワー→外気浴を3セット
スチーム室に入ると、思っていた以上に温度が高い。お風呂や水風呂はないが、蒸気に包まれているうちにどっと汗をかいた。数分我慢して外に出て、そのままシャワーで汗を流す。

シャワーを終えたら、屋外のリクライニングチェアで外気にあたる。火照った体が少しずつ落ち着いていく感覚が心地いい。これを3セット繰り返すと、サウナ好きが言う「ととのう」の感覚に近いところまで身体が整っていく。お湯につかる工程がない分、水風呂と外気浴を交互に行う日本式のサウナとはまた違う、蒸気とシャワーだけで完結するシンプルな循環だ。
建物の外に出ると、赤い大きな傘の下にプラスチック製のリクライニングチェアが並ぶ。バイクや自転車の駐輪スペースを兼ねた空間だが、上半身裸のまま横になって休む地元客の姿が何人もあった。


スチーム室からシャワー、外気浴までの動線がすべて屋内外を行き来する作りになっていて、火照った体を外の空気で冷ますこの時間が、3セットの中でいちばん気持ちよかった。
さらに、スチーム室の手前には、コップのラックとクーラーボックスが置かれていて、休憩がてら水分補給ができるのもありがたいポイントだ。


スチーム室前には、額縁の飾りが並ぶ小さな待合スペースもある。スチームサウナのあと、ここで休憩する人も少なくない。

シャワー後は、更衣室の鏡の前で身支度を整える。
カウンターに並ぶ物販
受付カウンターの周りには、軟膏やスクラブ、化粧水といった物販商品がずらりと並ぶ。値札が付いているものも多く、ボディスクラブは50バーツ、フェイススクラブは100バーツだった。


奥には業務用のドリンク冷蔵ケースもあり、ジュースや水に20バーツ・70バーツといった値札が付く。今回は何も購入しなかったが、サウナ上がりに一本買って外気浴のお供にするのもよさそうだ。

男女別のロッカーと通路
施設は男女で入口・ロッカーが分けられている。受付から続く通路の先に、番号付きの木製ロッカーがずらりと並ぶ。女性用の入口には「Welcome いらっしゃいませ Woman หญิง 女」と4言語で書かれた暖簾がかかり、日本人客にも配慮されているのが伝わってくる。


壁には赤黒地に金箔をあしらった装飾やハーブの効能パネルが並び、男性入口には腰にハーブ布を巻いたキャラクターのイラストが描かれている。写真映えするフォトスポットとしても楽しめる一角だ。

隣にはタイ伝統マッサージの学校
敷地の隣には、伝統衣装をまとった人物像を祀る八角形の祠がある。看板には「Shivagakomarpaj」の文字。BLOOMZ HOSTELのスタッフが通っていたというタイ伝統マッサージの学校が、この施設に隣接しているらしい。

Old Medicine Hospital Thai Massage School Shivagakomarpaj(通称OMH)は、1962年にシントーン・チャイチャカン氏が設立した、チェンマイ北部式タイ古式マッサージの発祥とされる学校。60年以上にわたり、世界中から2万人を超える生徒がここで学んできた。
出典:Old Medicine Hospital Thai Massage School Shivagakomarpaj 公式サイト
まとめ
100バーツでこれだけ整うとは思っていなかった。スチームで汗をかき、シャワーで流し、外気にあたる。このシンプルな3セットを繰り返すだけで、身体がじんわりとほぐれていく感覚があった。設備は決して新しくはないが、地元の人に混じって過ごす時間そのものが、旅先での贅沢だと感じた。
チェンマイ旧市街の喧騒から少し離れて、静かに汗を流したい人にはぴったりの場所だ。値上げ後も120バーツなら十分に手が届く値段なので、近くに滞在するなら気軽に立ち寄ってみてほしい。
評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 価格 | ★★★★★ |
| ロケーション | ★★★☆☆ |
| 設備 | ★★★☆☆ |
| 清潔さ | ★★★☆☆ |
| リピート度 | ★★★★☆ |
📍基本情報
| 名称 | Herbal Steam House(เรือนอบสมุนไพร) |
| 料金 | 1回100バーツ(2026年6月1日から120バーツに改定予定)、時間制限なし |
| レンタル | 腰巻き・サロン・タオル 各20バーツ、ハーブ追加50バーツ |
| 回数券 | 7回600バーツ/15回1200バーツ(購入から3ヶ月有効) |
| 備考 | 男女別入口・ロッカー完備、隣接してタイ伝統マッサージの学校あり |

