【チェンマイ|ワット・シースパン】フォトジェニックな銀の寺と、サードゥな出会い

ワット・シースパン 入口ゲート アジア

世界で唯一、銀で造られた寺。行くしかない。

チェンマイの銀閣寺こと「ワット・シースパン」へ訪問した。旧市街の南、銀細工職人が集まるウアライ通り沿いにある寺院で、本堂全体が銀とアルミの装飾で覆われた、世界でも珍しい姿をしている。

ウアライ通りの入口ゲート

路地の先に、銀色の屋根が見えてくる。花が咲く民家の軒先を抜けて進むと、寺院の入口ゲートに辿り着いた。

ワット・シースパン 路地の先に見える銀色の屋根
花咲く軒先の先に、銀色の屋根が見えた
ワット・シースパン 入口ゲート
「SILVER TEMPLE」の文字が見える

入口の脇では、ちょうど銀細工職人さんが作業中だった。その場で銀板を打つ様子を見せてくれる。トンカチと専用の彫刻刀で、少しずつ模様を浮かび上がらせていく。近くで見ると、一打ちごとの繊細さがよくわかる。

ワット・シースパン 銀細工職人の実演
一打ちずつ模様を彫っていく

チケット購入とガネーシャの出迎え

受付でチケットを購入する。料金は50バーツ(約250円)

ワット・シースパン チケットと営業時間の案内
「PLEASE SHOW YOUR TICKET」の案内

ゲートをくぐると、まずガネーシャが出迎えてくれる。金の装飾をまとった姿は、銀の本堂を背景にするといっそう際立って見えた。

ワット・シースパン ガネーシャ像
傘の下で参拝客を迎えるガネーシャ

銀寺の中へ

正面に回ると、青いタイルの階段の先に本堂が見える。屋根から壁面まで、隙間なく銀とアルミの彫刻で覆われた姿は圧巻の一言だ。

ワット・シースパン 本堂正面
青いタイルの階段と銀の本堂

この寺院について、タイ国政府観光庁は次のように紹介している。

「ワット・シースパン」は世界で最初に銀で造られた、別名「銀の寺」と呼ばれるユニークな寺院。この寺院があるチェンマイのウアライ・コミュニティには銀細工の工房が多く、2008年に銀細工村の村人が本堂を銀で改修したことで、タイでも珍しい現在の銀一色の姿になりました。遡ること1500年(仏暦2043年)、マンラーイ王朝ムアン・ゲーオ王の時代に、プラ・プッタパティハーン仏像を奉納するために建てられました。建築はタイ北部ラーンナー様式の石組みで、繊細な彫刻の上にアルミと銀の装飾が施されています。

タイ国政府観光庁

本堂の入口には、注意書きがある。

ワット・シースパン 女人禁制の案内板
「MAN ONLY」の表示

観光庁の説明にもある通り、この本堂だけはラーンナー地方の信仰上の理由で、女性は内部に立ち入ることができない。女性は建物の外から銀細工の装飾を鑑賞する形になる。男性のみ、中へ進むと黄金の仏像「プラチャオ・チェットゥー」が安置されている。

ワット・シースパン 本堂内の黄金仏像
緑のガラスを背にした黄金の仏像

天井を見上げると、なんと1000バーツ紙幣がそのままレリーフになっていた。タイの人々にとって銀細工がどれほど身近な技術か、遊び心のあるモチーフからも伝わってくる。

ワット・シースパン 天井の1000バーツ紙幣レリーフ
タイの紙幣がそのままレリーフに

側面と背面|世界の都市と、なぜかヒーローたち

本堂の側面から背面にかけては、世界各国の都市名が花模様とともに刻まれている。パリ、モスクワ、アテネ、ロンドン、ニューヨーク、東京、北京……世界一周のルートをそのまま銀板に写し取ったようなデザインだ。

ワット・シースパン 世界都市の名前が刻まれたレリーフ
世界中の都市名がずらりと並ぶ

ただ、東南アジアらしいというか、リオデジャネイロ・東京・北京のあたりをよく見ると、アイアンマンやスパイダーマンらしき姿がしれっと紛れ込んでいる。神聖な寺院の装飾にヒーローたちが混ざっているのも、これはこれで見どころの一つだと笑ってしまった。

ワット・シースパン 世界都市レリーフに紛れたヒーローたち
アイアンマンとスパイダーマンが紛れ込む
ワット・シースパン 側面と仏塔
側面から見た本堂と仏塔

同じ敷地内にも銀細工の工房

境内には、購入もできる銀細工の土産物コーナーもある。象やガネーシャ、動物モチーフのプレートなど種類が豊富で、お土産探しにもちょうどいい。

ワット・シースパン 銀細工の土産物
動物モチーフの銀板が並ぶ

職人さんに話を聞くと、これだけ緻密な作品を1つ仕上げるのに、なんと1か月かかるという。手打ちで一つひとつ模様を彫り込んでいく作業を思うと、納得の時間だ。

敷地内の別のお寺で、僧侶との出会い

銀寺の敷地内にはいわゆる普通のお寺がある。僧侶の方が笑顔で歓迎してくれた。

聞けば、東日本大震災のとき、宮城県へタイの僧侶一行が来日し、復興の支援をしてくれたことがあるという。旅先で自国とのつながりを聞くと、なんだかじんっとくるものがある。

ワット・シースパン 僧侶に糸を結んでもらう
祈願の糸を結んでもらった

そのとき教えてもらったのが「サードゥ(Sadhu / สาธุ)」という言葉。日本語にすると「ありがたや」、英語なら「アーメン」に近いニュアンスだという。モンクにお礼を伝えるときは、普段使う「コップンカ(プ)」よりも「サードゥ」の方がふさわしいのだと教えてくれた。教科書には載っていない、生きた言葉との出会いだった。

写真映えだけじゃない、人との出会いも

ワット・シースパンは、写真映えするフォトスポットとして紹介されることが多い寺院だ。ただ実際に訪れてみると、銀細工職人の手仕事や、寺院での僧侶との会話など、写真だけでは伝わらない出会いが詰まっていた。チェンマイ旧市街から歩ける距離にあるので、街歩きのついでにぜひ立ち寄ってみてほしい。

📍基本情報

名称ワット・シースパン(Wat Si Suphan)
営業時間08:00〜18:00/祝日クローズ
料金50バーツ(約250円)
住所Haiya, Mueang Chiang Mai, Chiang Mai 50100
アクセスチェンマイ旧市街のチェンマイ門からソンテウなどで約5分
注意本堂内部は男性のみ入場可(女性は外観のみ鑑賞)